まだ見ぬ音の波に

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NORIKIYO「春風 feat. OMSB」の歌詞の意味を考える

 

NORIKIYOの哀愁漂うHOOKが印象的な一曲。

 

「春風 feat. OMSB」

 

youtu.be

 

客演で呼ばれているOMSBの所属クルーは、SIMI LAB。

全員の地元が相模原というわけではありませんが、SIMI LABは相模原を拠点に活動していたので、わたしのイメージ的に相模の印象が強いんですよね。

 

そのSIMI LABのOMSBと共に、過去を回想する曲を作る。

 

おそらくPVを撮っているところは相模原だと思いますし、昔リリースしたアルバムや写真が映像に出てくる。

とても感慨深いなあと思いました。

 

トラックにラップ、曲の雰囲気ももちろんですが、

リリックがとても印象的な一曲なんですよね。

 

今回は、NORIKIYO「春風 feat. OMSB」についての、

歌詞の考察を述べていきたいと思います。

 

それでは、始めて行きましょう!!

 

 

HOOKから繋がるバース部分

 

別にあの頃へ戻りてぇんじゃねぇけどさ 若干ね…
そりゃBlueな春は去ったけど 一生言わねぇよCut ya hands
ここを去る者へ 追っかけるとかしねぇぞ 行っといで
そりゃBlueな春は去ったけど…

NORIKIYO「春風 feat.OMSB」

作詞:NORIKIYO,OMSB

 

HOOKでは、二つの話をしているんですよね。

 

「あの頃に戻りたいわけではないんだけれども、少しだけあの瞬間に戻れたら。」

という話と、

「旅立つ者に対して、行っといでと言ったものの、どこか寂しい気持ち」が、

表れていると思います。

 

このHOOKの話から広がって、

OMSBとNORIKIYOが各々のバースでラップをしていくこととなります。

 

後者の見送る話をするのがOMSBで、

前者の少しだけ戻れたらなあと思いふけるのがNORIKIYO。

 

それでは、各バースを見ていきましょう。 

 

見送るOMSBのバース

 

OMSBの1-8小節目

 

寂しいけどさよならBye Bye 二の句には声高に希望語る

悪いけど俺の耳には失言 旅は道連れ それが苦しくても

憂鬱な言葉降る蝉時雨 "別に私あなたじゃなくても良いんです"

嗚呼 隣の芝青くてillness 頷くフリして遠く先見つめる

NORIKIYO「春風 feat.OMSB」

作詞:NORIKIYO,OMSB

 

”寂しいけどさよならBye Bye 二の句には声高に希望語る
悪いけど俺の耳には失言”

 

OMSBがバイバイと言った相手が、同じ言葉(バイバイ)を返し、

二言目には希望を語っていた。

 

その話は、OMSBにとっては受け入れたくないことで、 

聴いた後にOMSBは思う。

 

「旅は、誰かと共にした方が心頼もしいはずだ。」と。

 

ここでは、 その言葉通りに、

「誰かと共に歩いたほうがいいよ」と、

OMSBがアドバイスしているように、捉えられることもできますし、

 

「一緒に行くのは、自分ではだめなのかい?」と、OMSBの寂しさも感じます。

 

 

”憂鬱な言葉降る蝉時雨 "別に私あなたじゃなくても良いんです" ”

 

「別にあなたじゃなくていい。」と、

去っていく人が、心の中で思っている気がするんだ。

というOMSBの心情を表しているようにも思いますし、

 

直接、"別に私あなたじゃなくても良いんです"と言われたことで、

ショックを受けた時の立ち尽くす様子を、”憂鬱な言葉降る蝉時雨”と表現しているようにも思います。

 

 

”隣の芝青くてillness 頷くフリして遠く先見つめる”

 

この部分は過ぎ去った人の姿を表しているようにも思いますが、

この1節のあとにOMSB自身の話が出てくるので、OMSBの姿とも捉えられます。

 

 

OMSBの9-16小節目

 

今去れば全てがミステイク 向こう見ずにRun 昔の自分へ

顔向けの1つだって出来やしねぇ 去ってゆく奴、常に戒め

笑って送ってやりてえ でもあっそと返す決まりです

やがて来る刺す様な紫外線 俺に巡るまで君を見ないで (Like this)

NORIKIYO「春風 feat.OMSB」

作詞:NORIKIYO,OMSB

 

今立ち止まってしまったらすべてがなくなる。

がむしゃらに走ってきた昔の自分に申し訳ない。と。

 

だからやめていった人のことを思い出し、常に自らを戒める。

 

だから、今回も、

笑って送ってあげたいけれど、冷たくお別れを告げるのが決まり。

 

そして、

”やがて来る刺す様な紫外線”の、”紫外線”というのが、

スポットライトや、チャンス、歓声、評価など、色々な意味を想像するんですよね。

 

その前のリリックで、”隣の芝青くてillness”と言っていることもあるので、

 

自分が大きくなる、強くなる、評価を得るなど、

それらをするまで、決してあなたのことは見ない。

 

あなたの今後のことは、知らないようにする。

 

そんな意味のようにわたしは感じました。

 

 

HOOKに戻る

 

以上がバース部分になりますが、

再度HOOKに戻ってみると、

 

”ここを去る者へ 追っかけるとかしねぇぞ 行っといで”

という部分に繋がってきます。

  

”行っといで”というワードが、

バース部分を聴いた後だと、より寂しさを感じるんですよね。

 

”追っかけるとかしねぇぞ”と言いつつも、

本当は呼び止めたい。

 

でもその人が決めたことだから見送ってあげたい。

 

その対称的な感情が入り混じっているように思いました。

 

 

思いふけるNORIKIYOのバース

 

NORIKIYOの1-8小節目

 

あの日遊び半分で握ったマイク 好きだったGnjaの銘柄をFlow
あれはあれで まぁ正解だと思う くだらねぇ曲だけどさ宝物
それをダチに聴かせてさおもしれぇ で今聴いて顔から火出そうだとしても
2度とはもうねぇ Good old days 今日も陽は昇りゃまた落ちていく

NORIKIYO「春風 feat.OMSB」

作詞:NORIKIYO,OMSB

 

前半はNORIKIYOのラップの原点の話。

 

もともとNORIKIYOはバックDJをしていたので、

ラッパーとして活動するきっかけとなった日のことを回想している。

 

今思うと恥ずかしい曲ばかりだけれども、あの瞬間が財産だったと。

2度と戻らないあの日から、今は続いている。

 

 

NORIKIYOの9-16小節目

 

芽出て木に成りゃするさ枝分かれ 日々の暮らしに追われるその中で
それぞれ違った和音を押さえて奏でる そりゃそれで仕方ねぇそれもサダメ 
あの日々が俺たちにとって今日どうあれ 辿ってみりゃ幹に沿って思う 
一緒に馬鹿やったっけ それの分 一生変わる事ねぇ俺のRoots

NORIKIYO「春風 feat.OMSB」

作詞:NORIKIYO,OMSB

 

”芽出て木に成りゃするさ枝分かれ 日々の暮らしに追われるその中で
それぞれ違った和音を押さえて奏でる そりゃそれで仕方ねぇそれもサダメ”

 

あの日の原点から、芽が出て木になり、枝分かれ。

 

”それぞれ違った和音を押さえて奏でる”というのは、

ひとりひとりが枝分かれした道。つまり、職業。というふうに感じます。

 

そして、皆それぞれの道に向かって、日々頑張っている。

それはそれでよかったんだけれど、寂しさはもちろんある。

 

 

”あの日々が俺たちにとって今日どうあれ 辿ってみりゃ幹に沿って思う 
一緒に馬鹿やったっけ それの分 一生変わる事ねぇ俺のRoots”

 

あの日々が、それぞれの人にとって、重要か重要でなかったかは定かではないが、

今の自分があることを振り返り、枝、そして幹を辿っていくと、あの日の思い出に戻ってくる。

 

前半8小節はNORIKIYOの原点であり、根っこの部分。

後半の8小節は、その根っこから木になり、枝分かれをした今の話。

 

”一生変わる事ねぇ俺のRoots”

というリリックからは、

 

あの頃の思い出(Roots)は決して忘れない。

というふうにも思いますし、

 

おれは変わっても、根っこや芯は変わらないよ。

といった感じにも捉えられます。

 

 

HOOKに戻る

 

そして、こちらも再度、HOOKに戻ってみる。

 

”別にあの頃へ戻りてぇんじゃねぇけどさ 若干ね…”

 

あの頃というのが、いつなのか。

それがバース部分を聴くことで話が繋がります。

 

”別にあの頃へ戻りてぇんじゃねぇけどさ”といっているので、

当時様々なことがあったのだろうと思います。

 

なので、戻りたいわけではないんだけれど、

あの瞬間が頭に浮かぶときに、ふと思う。

 

あの時に一瞬だけ戻れたらなあと。

 

それぞれの道を選び、歩んでいった人たちを思い出しながらふける、

OMSBとはまた違った寂しさというのをとても感じました。('ω')

 

 

「春風」というタイトルに繋がる

 

そして題名は「春風」。

どちらのバースもタイトルが表されていると思うんですよね。

 

OMSBの春風は、去っていく人。

 

風が吹き去っていくように離れていく。

 

NORIKIYOの春風は、記憶や思い出。

 

風が吹いてくるように、ふと思い出す。

 

そんな感じにわたしは曲を捉えました。('ω')

 

おわりに

 

相模原を拠点に活動していたSIMILABのOMSBと、

同じく相模原のNORIKIYO。

 

共に相模原ということと、

2人ともSIMILABのQNとの騒動があったこともあり、

聴いていると、とても感慨深い一曲だなあと。

 

QNが今年の元日にリリースした「-Prince Of Sagami-」には、

PVにNORIKIYOの姿が映っていたので、今後共演する可能性を示唆しているように思いますね。

 

また同じビートの上でバースを蹴ってほしいなあと、願うばかりです。

 

以上で、歌詞考察を終えたいと思います。

 

それでは(^^)/